2021年もありがとうございました

Blog コラム

 2021年も残すところあとわずかですが、師走の忙しい時期を皆様いかがお過ごしでしょうか? おかげさまで、一足早く仕事納めをさせていただくことができました。今年お世話になりました皆様にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。

 個人的には、4月にギックリ腰を発症し、3ヶ月ほど満足に椅子に座れない状況などを経験し、もう若くはないんだなということを改めてつきつけられた年でした(涙)。30代前半に買った服がやけに似合わなくなるのは、アラフォー男性のみんなが通る道なのでしょうか? そう思うと、あの歳でハンガーバーを中指と薬指で挟んで食べるキムタクってのはやっぱり凄いんだなと変なところで感心してしまいます。

3年目を終えました

 おかげさまで、2019年に日本法人を設立したJellyfishも今年で3期目を終えようとしています。最初に入社した時には800人の会社でしたが、今ではグローバルで2400人の規模の会社となりました。主な営業地域は英国を中心とした欧州でしたが、今では中東・中南米・アジアにもオフィスが拡大してグローバルでデジタルにまつわるCapabilityを保有するなかなか面白い会社になってきました。個人的にもコロナ前はドバイ、上海などに営業しにいくなど、貴重な経験をさせていただきました。私自身が貢献できている部分はこの中でほんのわずかですが、成長のダイナミズムを一番良い席で感じることができるのは光栄なことです。

 いずれにせよ、この3年間で、だいたいどの国がどんな風にマーケティングをしているのかがなんとなく掴めてきました。相対的に見て、日本はけして引けをとっていないなと思いますし、あるのはちょっとした商習慣の違いやビジネスモデルの違いなのかなと思います。サッカーのように、Googleというグローバルに誰もが知っているプラットフォームがあることで、国籍を問わず共通の話題で盛り上がることができるのはとても楽しいことですね。

 実は、この「3年」という数字は個人的にも意味のある数字でした。今年37歳になったのですが、お恥ずかしながらこれまでひとつの会社に2年半以上継続して勤務したことがなく今日に至っていますので、Jellyfishでの3年がこれまで在籍した会社の中で最長の在籍期間となりました。大学も1年休学して語学留学していたので、過去最も長く在籍していた組織は小学校の6年間、ということなります。いつかは小学校の在籍期間を越えたいなぁと思っています(笑)。

コロナ禍で大きく変わった働き方

 2021年で大きく変わったのは、やはり働き方ではないでしょうか? Jellyfishはインドや南アフリカなど旧大英帝国圏内にオフィスがたくさんあります。イギリスと南アフリカは、時差はほとんどありませんし、同じ英語が通じるので彼らからしたら大した問題ではないようです。グローバル企業で仕事をしていると、ロンドンは、アメリカともインドとも時差がなくて英語が通じるから情報も早く集まってきて良いなぁと思うことが度々あるのですが、歴史を紐解けばアメリカもインドもイギリスの植民地だったんだし当たり前だよなぁ、となんとなく世界史の重みを実感することがあります。

 Jellyfishに入社した2019年頃は、クライアントの実務をサポートするチームがスペインにいたり南アフリカにいたりすることを不安に感じていて、できれば対面で色々と話したいなぁなんて思っていたのですが、会社のワークフローに慣れてきたり、プロダクト知識が増えてくると、なんとも思わなくなってきました。しっかりした作業のフレームワークがあれば、翻訳ツールなどを駆使することであまり不自由なく仕事ができてしまいます。

 もちろん業種によっては難しいこともあると思うのですが、こうした旧大英帝国圏を股にかける欧州企業の仕事の仕方を見ていると、日本国内でどこで仕事をしていようが誤差だなと思います。東京と、私の地元の静岡などほんのわずかな誤差でしかありません。今後のオフィスの役割や、所在地に大きな影響を与えるのではないかと思います。

 管理職など、人によってはまだリモートに不安があったりする人も多いかもしれませんが、こういう働き方のフレームワークを学べたことは実は大きな財産かもしれないなと感じています。価値観の変化にいち早く対応できた企業が生き延びていく時代になっているのだと思います。

終身雇用の価値観が根強く残っていた2010年前後

 価値観、と言えば私が新卒当時はまだまだ終身雇用の文化が根強く残っていました。新卒で2008年に入ったGoogleを2年半勤務した後、ベンチャーに転職してから何も貢献できず退職し、約1年半ほどニートをしていた時期があるのですが、社会人経験が短かったので、2年半で最初の会社を辞めてしまったことに後悔したり、動揺したりしたものです。20代で転職をした人などは今でもそう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 2021年の今になって改めて振り返ってみると、まったく怯える必要なんてなかったなぁと思います。それだけ世の中の方が大きく変わったということなのでしょう。「就社」ではなく「就職」という考え方が当たり前になり、ジョブ型採用などという言葉も一般的になってきました。個人的に自分のキャリアを振り返ってみると、やはり転職をして無理やり新しい環境に飛び込むことで身についた知識というのはたくさんあるなぁと思います。

 今思うと一番大変だったのはニート明けのTripadvisorだったかもしれません。入社前に、上司がイギリス人になることが伝えられ、日本法人へ出社するよりも早くロンドンオフィスに出社し、その日のうちにGoogle ロンドンオフィスに連れて行かれる、というのはニート明けにはいささか厳しいものがありましたが、良い刺激になったかもしれません。日本法人内に同様の職種のチームメイトがいなかったので、朝出社したらサンフランシスコの人に聞いて、1時間するとシンガポールオフィスが開くのでシンガポールのチームメイトに聞いて、3時間するとインドが開いて、夕方にはロンドンの上司に報告する、みたいな感じでした。SQLの書き方も英語で教わりましたが、ここで学んだことの延長で今も仕事をさせていただいているので、当時は大変でしたが感謝ですね。

 少し話はそれてしまいましたが、自分の体験をベースにして話すとすれば、業種や職種を大きく変える転職は若いうちにしかできないので、若いうちに色々経験をしておくほうが良いかなと思います。先日、お世話になっている人事コンサルの方とお話させていただいたのですが、広告主、広告代理店、広告プラットフォームの3つの立場を経験している私のキャリアを面白がっていただいて、ロールモデルのひとつとして客先でお話いただいているようです。

 壺から手が抜けない猿の話を聞いたことがありますでしょうか? おそらく仏教関連の説話ではないかと思うのですが、猿は、壺の中のアメを手に握りしめていたから手が抜けなかったのですが、通りがかった旅人がいったん手の中のアメを手放すように促すと無事手が抜けて壺の中のアメをすべて手に入れることができた、という話です。このわずかなアメを手にして壺から手が抜けない状態のことを「執着」と呼ぶらしいのですが、転職やキャリアのことを振り返る時になんとなくこのお話が頭に浮かびます。

 成功のレールから外れてしまったように思えても、その先にもっと豊かな未来が待っていることもあります。何か新しいことにチャレンジしようとしている方に、自分のキャリアが少しでも参考になればと思います。

2022年は大きな変化の年

 さて、余談が長くなってしまいましたが、2022年はデジタルマーケティング業界にとって大きな1年となりそうです。ざっと対応が迫られそうな項目を上げてみても、下記の項目への対応が必要となってきそうです。

  • 改正個人情報保護法の施行
  • 改正個人情報保護法に伴う同意モードの導入
  • 同意ステータスに応じたタグのコントロール
  • DoubleClick Cookieの廃止
  • ユーザーの一意の識別子の廃止
  • Universal Analytics から GA4への移行
  • サーバーサイドGTMの導入の検討

 広告の配信はGoogle広告のスマートディスプレイキャンペーンや、Performance Maxなどに代表されるように、どんどん自動化が進んでいき、マニュアルでコントロールできる部分が少なくなってくると思います。したがって、どんなデータを広告プラットフォームに読み込ませるか、が重要になってきます。そういった状況に備えてBigQueryへのデータ移行、Google タグマネージャーの見直し、GA4の導入など、1st. Party Dataの管理がとても重要になってくると思います。

 そういった意味で、意識的にサーバー側やデータベース側の知識を徐々に増やしていくことが重要だと思います。データベース系の知識を増やすには、GA4は無料でBigQueryへのエクスポート機能がついているので、SQLを書く練習をするにはうってつけのプロダクトです。

 思い返せば、私がこの業界に入った2008年頃にはエクセルは6万行までのデータしか扱えませんでした。それがいつのまにか60万行になり、いつしかローカル側ではなくクラウド側のデータを扱うようになります。それに合わせて、広告運用のスキルもエクセルのマクロやVBAから、SQLやPythonなどに移行してきました。私もその流れに乗っかって勉強して今では機械学習関連のプロジェクトにも携わるようになってしまいました。大学時代は主に作者の気持ちばかりを考えていたど文系の私が、です。

 広告とデータを一気通貫してコンサルできる人材はこの業界でもまだまだ少ないと思いますので、こうした変化をチャンスと捉えて積極的に新しいことにチャレンジしていくのはその後の大きな財産となると思います。今までは、こうした変化に個人で適応することばかりを考えていましたが、これからは組織でどうスケールして対応できる体制を構築するか、をつらつらと考えていく2022年にしたいなぁと思っております。

 以上、長文にお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。改めて、2021年ありがとうございました!2022年もどうぞ宜しくお願いします。

杓谷 匠杓谷 匠

1984年生まれ。2008年に新卒でGoogleに入社して以来、一貫して運用型広告の世界に従事。2010年にスタートアップに参画するも、川原で膝を抱える日々を経験。その後、Tripadvisor、Google、ATARAを経て、2019年に英国に籍を置く世界最大級のGMPパートナーJellyfishの日本法人の立ち上げに参画。

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